あなたのお菓子エピソード書いてみませんか?お菓子のちから 作文コンテスト

最優秀賞

「いちご饅頭」

茨城県 中学校二年

私は実感した。少しの意地は一生の後悔につながるということを

私の母は中国人だ。

あるとき私は父の転勤で日本に引っ越すことになった。母のことは好きだが、日本にいると周りの母とは少し異なる言動を子供ながらに気にしていた。

日本に引っ越してきて数日たったとき、初めてできた友達の家に遊びに行った。時間になれば友達の家の人がおやつを出してくれた。それは高級で綺麗な大福だった。私はその大福を食べたとき美味しさと同時に不安がおそってきた。なぜなら来週は私の家で遊ぶ約束をしていたからだ。

私は帰ってすぐ母に高級ないちご大福を買ってほしいと頼んだが、引っ越したての我が家にそんなお金の余裕は無かった。だから無理という母に怒ってしまった。

とうとう友達が家に遊びに来る日がきた。不安になりながら母が持って来るおやつを待っていた。そして母が持ってきたのは何の飾り気もない饅頭だった。私はとても恥ずかしかった。しかたなく一口食べてみると饅頭の中にあんこが入っていた。二口目にはいちごが口いっぱいに広がった。母はいちご大福をつくろうとしてくれていたのだ。

その時私は母に怒ったことを後悔した。でも今更母に謝ることはできずに、意地を張ってしまった。

そんなある日母が手術のため入院することになった。生死を彷徨うほどの手術ではない。でも、私は母がいなくなってしまうのではないかと、とても怖かった。

幸い手術は無事に済み、私はその後すぐ母にあのときのことを泣きながら謝った。

今でも母のいちご饅頭を食べる度に思う。もしあの時、母が亡くなっていたら私は一生後悔していたかもしれないと。

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食べものに、もたいないを、もういちど。お菓子の賞味期限は、美味しく食べられる目安を示すものであり、これを過ぎても食べられなくなるわけではあり ません。 現在、日本では「もったいない」 を合言葉に、 食品ロス削減運動が展開されています。 菓子産業は、 この 運動の一環として、 食品ロスを減らす取り組みを行っています。